点から線へ、線から円へ。
2025年9月11日(木)〜14日(日)の4日間、北海道札幌市にて「MCDC2025 in SAPPORO」が開催されました。会場を訪れた人数は関係者含め約100名、全国各地から7チームが参加し、地域交通の課題解決に向けてともに学び、議論した4日間の様子を報告します。
開催概要
- 開催日程:2025年9月11日(木)〜9月14日(日)
- 開催場所:北海道札幌市
- 参加方法:完全推薦制
- 参加条件:同地域の異業種複数人チーム(原則 3〜5 名)
- 主催:筑波大学ナラティブコンソーシアム
- 共催:一般社団法人日本モビリティ・マネジメント会議(JCOMM)

参加チーム
全国から7地域のチームが参加しました。参加者の所属組織も合わせて紹介します。
- チーム北海道ニセコ <DMO / NPO・地域団体 / 民間企業(開発・コンサル等) / 行政機関>
- チーム奥入瀬 <行政機関 / DMO / NPO・地域団体 / 大学・研究機関>
- チーム湯沢町 <行政機関 / 交通事業者 / 民間企業(開発・コンサル等)>
- チーム上田市 <NPO・地域団体 / 行政機関 / 大学・研究機関>
- チーム京急富岡 <交通事業者 / 大学・研究機関 / 民間企業(開発・コンサル等)>
- チーム西尾市 <大学・研究機関 / 行政機関 / 民間企業(開発・コンサル等)>
- 先進過疎地・広島・庄原チーム <商工会議所 / 行政機関 / 交通事業者 / 金融機関>

4日間のプログラム
Day1:インプットトーク&チームワーキング
MCDC2025は、筑波大学の谷口綾子教授による開会挨拶で幕を開け、続いて呉工業高等専門学校の神田佑亮教授より、趣旨説明とともに、コミュニティ育成における成熟度評価について、事例を交えた説明が行われました。
北海道・札幌を舞台にした MCDC2025 のインプットトークには、この地にゆかりのある実践者と、地域に深く入り込んで変化を起こしてきたキーパーソンが登壇。全国から集まった7チームの議論に、現場のリアルな熱量が加わりました。
◆株式会社ドーコン 取締役常務執行役員 澤充隆氏
「シェアサイクル事業『ポロクル』と札幌都心のまちづくり〜豊かな人間環境の創造に向けて〜」
札幌都心部で展開されているシェアサイクル「ポロクル」のこれまでの歩みをもとに、地域の人のつながりや関係者の熱量が、移動サービスをどのように支えてきたのか、また、一つの移動サービスがまちづくりへと広がり、都市のあり方にも影響を与えていく様子が、自転車を起点とした具体的な事例として紹介されていました。
◆西日本旅客鉄道株式会社(JR 西日本)中国統括本部 内藤真也氏
「よそもの、わかもの、ばかものと拓く地域の未来」
広島県瀬戸田町での地域づくりの実践を紹介。鉄道会社社員という立場でありながら、地域に飛び込み、住民と膝を突き合わせながら粘り強く活動を積み重ねてきたプロセスは、「よそもの」だからこそできることの可能性を参加者に強く印象づけました。


インプットトーク後は、各チームが自地域の現状・課題・ビジョンを発表。他地域のチームの取り組みや悩みをリアルに聞くことで、自地域の課題が相対化され、新たな視点や気づきが生まれました。
その後のチームワーキングでは、発表で受けた刺激をもとに地域のビジョンや現在地について話し合いを深めるとともに、翌日からの JCOMM 参加に向けた行動プランを作成し、夜のイブニングトークでは参加者同士の本音トークと地域間での交流も行われました。

Day2・3:JCOMM 参加
第20回日本モビリティ・マネジメント会議(JCOMM)に参加し、全国のモビリティ・マネジメント事例を学びました。各チームは Day1 で立てた行動プランに基づいてセッションやポスター発表を巡り、自地域の課題解決に参考になる事例やポイントを収集しました。

第20回日本モビリティ・マネジメント会議の詳細については、JCOMMのHPよりご確認ください。
Day4:チームディスカッション&最終発表
3日間の学びをもとに、各チームが「課題・ビジョン・現在地・不足要素・アクションプラン」について最終ディスカッションを実施。ショットガントークで全チームが発表し、参加者が参考になったチームに投票。クロージングでは、SIP 第3期プログラムディレクターの石田東生・筑波大学名誉教授より総評をいただきました。


参加者の声
4日間のMCDCを通じて参加者からコメントをいただいたので紹介します。
- MCDCで議論した内容について、すでに内部で話が進んでおり、有意義な時間になったと感じている。(行政担当者)
- これまで協議会では各主体の取組が交わることが少なかったが、担当者間で共通の課題認識を持つことができた。(研究機関担当者)
- グループワークを通じて、地域の課題認識を共有し、一つの目標に向かって施策を考える重要性を実感した。(大学関係者)
- 他地域の取組を知ることで刺激を受け、同様の課題に取り組む仲間の存在を感じることができた。(交通事業者)
- チーム内に行政や県の担当者が参加していたことで、より広い視点から地域のビジョンを考えることができた。(大学関係者)
- インプットとアウトプットが多く整理は大変だったが、振り返ると非常に充実した4日間だった。(行政担当者)
- 普段の業務では難しい「ビジョン」を中心とした議論ができたことは貴重な経験だった。(大学関係者)
- MCDCを通じて、チームとして地域に向き合う意識が強くなり、今後の取組につなげていきたいと感じた。(交通事業者)
動画でも、参加者からの感想を紹介しています。ぜひご覧ください。
おわりに -MCDC 2026の開催について
MCDC2025 では、「点から線へ、線から円へ」というコンセプトのもと、全国の参加者が自地域の仲間とともに学び、地域に戻ってからのアクションに繋げることができました。各地域でのコミュニティ活動への波及が、これからの成果として期待されます。
「MCDC2026」については、2026年9月4日(金) - 5日(土)に新潟県湯沢町で開催される「第21回日本モビリティ・マネジメント会議(JCOMM)」に合わせた開催を予定しています。一般見学者の募集も検討し、コミュニティで学ぶことの価値を広げていければと考えています。
