中川権人,谷口綾子
土木学会論文集D3特別企画(土木計画学:政策と実践),Vol.78,No.6,II_19-II_34,2022
公共交通空白地域等で日常生活における移動手段確保の方策の一つとして注目されているものに,道路運送法の許可又は登録を要しない輸送(互助型輸送サービス)がある.本研究では,運行中もしくはかつて運行していた全国10の互助型輸送事例の情報収集・インタビュー調査を実施し,導入プロセス・実務的課題を把握した.その結果,互助型輸送サービスの導入には,キーパーソンの存在,無理のない運行計画の設定など,12の重要なポイントがあると分かった.また,ドライバーの負担の増加,後継者不足など5つの実務的課題が確認された.検討経緯で類型化したところ,モビリティ確保・まちづくり・福祉の3つの目的に分類できた.このように,互助型輸送サービスの導入を検討する団体が,最適なサービス設計を行うための参考情報を提示することができた.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejipm/78/6/78_II_19/_pdf/-char/ja